こんにちは❣ 大阪市生野区の歯医者 有田歯科医院 院長の有田です。
「センセ、歯ぁがグラグラで、噛めませんねん。入れ歯のバネをかけてる歯ぁもぐらついてるから、入れ歯もガタガタ動いて、何も食べられませんねん。」とボソボソとうつむき加減で当院にお越しになられたAさん。早速、拝見させて戴いたところ、歯周病が重度に進行しており、特に上顎の歯はグラグラで、噛む度に歯と歯の間が広がる様に傾きます。これでは『嚙み合わせの力』が分散されてしまい、食べ物を咀嚼できそうにありません。
よくお話しを伺いますと、やはり今までも多くの歯をぐらついては抜歯し、抜歯した所に入れ歯を入れる事を繰り返し、段々と大きな入れ歯になってこられたそうです。「ホンマ、歯医者に行っては、歯ぁを抜かれて、そのたんびに入れ歯をこしらえてましてん。もう総入れ歯にせなあかんかいなぁ。と思ってセンセのとこ来ましてん。」 幸い下顎の歯は残せそうな歯が多いようですが、残念ながら上顎の残りの歯を全て抜歯して、総義歯にすべき状態です。私が、その事を患者様にどうお伝えしようかと躊躇しておりましたところ、「センセ、やっぱり歯ぁを全部抜いて、総入れ歯にせなあきまへんやろ?わし、今までも歯ぁがぐらついて抜いてきたから、多分今回もそやないかなあって思ってましてん。」とおっしゃって戴けたので、現状を漏らさずお伝えし、抜歯と総入れ歯作製の手順について説明致しました。すると、「センセ、歯ぁ抜いたら、入れ歯ができるまで、歯抜けのまんまですか?どないやって、食べたらよろしいの? それに、わし、客商売やし、歯抜けのまんまやったら、具合い悪いんですわぁ❣」とお嘆きの様子です。
Aさんにしてみれば、《食事を楽しむ》という歯の丈夫な人たちにとってはごく当たり前の欲求を満たす以前に、《栄養を摂るための咀嚼機能》や《社会生活を営むための会話や笑顔》を取り戻したい。即ち、食べられる。人と話せる。人前で笑える。安心できる。そういった普通の社会生活を取り戻したい欲求で一杯だと思います。と同時に、歯を無くしてこられた事の後悔や不安なお気持ちをずっと引きずってこられたのではないでしょうか。
今回のケースでは、残念ながら、歯周病を無くすために《抜歯》という治療法を選択せねばなりませんでしたが、同時に咀嚼や会話という機能の回復と美しい口元と笑顔による社会や周囲の人達との触れ合いをできるだけ早く実現させる方法は無いか?を私共は考えます。そのための一つの方法が、《即時義歯》です。しかしながら、歯の治療は、患者様が実生活を営んでいただきながら進めていかねばなりません。入院して、社会から遮断された状態で行うわけではありませんよね。ですから、治療の順序として、遠回りしないといけない事も有るのです。ご理解下さいね❣
即時義歯は、歯を抜く前に型を採り、前もって作製しておき、義歯が完成した時点で抜歯します。もちろん、抜歯したまま歯が無いという状態を避ける事ができるという利点が有りますが、抜歯後で歯茎は傷ついている状態で、痛みも出やすく、歯が有る状態で型を採って作製しているわけですから、本来の手順である抜歯後に歯茎の状態が落ち着いてから型を採り作製した義歯に比べて、適合状態や上下の噛み合わせの関係に於いて誤差が大きくなります。当然、調整をしていかねばなりません。この点も、どうぞご理解下さい。
私共の医院では、その後、コンフォートデンチャーという特殊な加工法で作製する粘膜面にやわらかい素材を使用した義歯をもご紹介しています。もちろん、歯茎との適合性、装着感に於いて、即陣義歯とは比べものになりません。多くの患者様から、お喜びの声を戴いたいます。コンフォートデンチャーに関しては、当院のホームページにも動画等で内容を詳しく説明しております。ご覧下さいます様。
「いや~、お陰さんで、毎日元気に頑張ってます❣」 少し日焼けして、若々しく健康的な笑顔。溌剌とした元気な声で定期健診にいらっしゃったAさん。良かったですね❣
あなたのステキな笑顔をいつまでも❣❣