『 入れ歯は、実際、どう作る? 』

こんにちは❣ 大阪市生野区の歯医者、有田歯科医院の院長、有田です。

先月のこのブログで、保険の入れ歯と保険外(自由診療)の入れ歯の違いについて触れましたが、では実際、入れ歯は、どうやって作っているのか?を述べたいと思います。

保険の入れ歯も保険外(自由診療)の入れ歯も、基本的な作製工程は、それほど変わりません。ただ、各工程において使用する材料はもちろん、内容(こだわりと言っても良いかもしれません)やそれにかける時間は、当然違ってきます。同じであるはずがありませんよね?このあたりは、皆さんにもイメージとしてご理解戴けると思います。

入れ歯には、保険の入れ歯、保険外(自由診療)の入れ歯(金属床義歯やコンフォートデンチャー)の3種類が有ります。そして、入れ歯作りの工程は、

①先ず、当たり前ですが、患者様のお話を良くお聴きする事から始まります。入れ歯作りに限った事ではないのですが、その患者様の現状の歯に関するお悩み、今までの歯科治療のご経験(辛かった事、いやな思いをした事等)、これからどうなりたいかという希望、等々、患者様の訴えに耳を傾ける事によって信頼を寄せて戴く事です。それが、歯科治療の基本と考えています。特に入れ歯の場合、「噛めない」「はずれる」「しゃべりにくい」という直接的な訴えが圧倒的に多いです。患者様とのお話の中から、問題点がどこに有るのか?を探っていき、微力ながら少しでも問題解決にお役に立てればと願っています。そのお話の中で、患者様に納得して戴き、保険の入れ歯か保険外(自由診療)の入れ歯かは、患者様に選択して戴きます。

②次に、お口の状態を検査致します。今、残っている(残せる)歯は、どの歯で、どの様な設計が可能なのか?歯の無い部分(総入れ歯の場合は全部)の歯ぐきの高さは十分か?硬さは、どうか?入れ歯を支える事ができそうか?その他諸々を考慮して、型採りの材料や方法を選択したり、入れ歯の床面の形や大きさを決め、部分入れ歯の場合、バネの種類や形状を『設計』していきます。

③治療方針が決まれば、あとはGO❣です。部分入れ歯の場合は、入れ歯作りに先立って、今ある歯の治療を済ませます。現在お使いの入れ歯が有る場合(特に、総入れや床の大きい部分入れ歯等)、その入れ歯が何故調子が悪いのか?を見極めながら、改善していきます。新しい入れ歯ができるまで、その入れ歯を改良しながら使って戴きます。

④いよいよ型採りです。必要が有れば、その患者様専用の型採りの材料を入れるトレー(容器)を前もって作っておきます。歯ぐきは硬い所も有れば、軟らかい所も有るんです。同じ様な圧がかかってしまうと、軟らかい所は変形してしまいます。

⑤型を採れば、模型上での作業が開始されます。ここから、私どもと歯科技工士さんとが連携しながら、『一つの人工臓器である義歯』の作製が始まります。患者様のお顔立ちや左右の目や耳、口角の位置、鼻の先と耳の位置関係、両肩との並行性、etc、etc。その方の身体の他の部位から、適正な歯並びや笑顔の時の口唇と歯の見え方、噛み合わせの関係等を推測していきます。特に、総入れ歯では、噛み合わせの位置や高さを測っていく事がとても重要になります。

⑥全てが決定し、ステップごとにお口の中での作業や調整が終われば、『重合』という床をレジンというプラスチックのようなものに置き換える作業で入れ歯が完成します。更に実際使って戴きながら、お口の中でで調整し、完成させます。

⑦私共がお勧めしている『コンフォートデンチャー』では、この完成した入れ歯にもう一工夫し、床内面に特殊なクッションを入れ、1~2週間実際に使って戴き、粘膜面に噛み合わせの圧等が印記された状態にしたところでもう一度お借りして、最終的な軟らかい内面を作り上げます。

手作りで、手間ひまかけて作っています。大切になさって下さいね。