こんにちは。大阪市生野区の歯医者 有田歯科医院 院長の有田です。
永久歯を抜歯しますと、もう歯は生えてきません。多くの患者様が、「先生、何とか歯ぁを抜かんと治療できまへんかぁ?」とお尋ねになられます。しかし、病気の進行状態によっては、お口の健康を守るために≪抜歯という治療法≫を選択する事がベストな場合が有ります。
◎虫歯の進行が著しく歯茎の中の部分の歯根にまで崩壊し、放置すれば歯の根の先に広がる細菌の巣(根尖病巣)を失くす事が出来ない場合や歯の根の壁がもろくなってしまって、かぶせ物を正確に作製できない、支えられない場合。
◎歯周病が進行し、歯の根を支える骨が溶けて歯が大きくグラグラしている時。
◎歯の根が割れたり折れている歯は、周囲の組織に炎症を引き起こしやすく、他の歯(特に隣りの歯)にも悪い影響を与えます。その為に、病気の拡がりを食い止めるという観点から抜歯する場合が有ります。
◎歯茎に埋まってしまっている歯(埋伏歯)や捻じれて生えている歯は、周囲の歯や歯茎に悪影響を及ぼしたり、噛み合わせの点でも問題になり易く、噛み合わせや全体的な判断から、抜歯の対象となる場合が有ります。
◎歯が正しい位置に生えていない場合や顎が小さく、全ての歯が並びきらずにがたがたな歯並び(叢生)の原因となっている場合、矯正治療の前処置として抜歯する場合が有ります。
◎智歯(親知らず)は、歯並びの一番奥にあって磨きにくく、プラークコントロールがとても難しい歯です。また、斜めに生えている事も多く、親知らずを覆う歯茎が炎症を引き起こしやすい(智歯周囲炎)状態の方が多いのが実情です。何度も親知らずの腫れや痛みで悩んでおられる場合は、抜歯を検討します。
もちろん、私共も、できるだけ抜歯せずに保存する方法がないか?または、今回は、一時的にも保留する事ができないか?をも同時に診断し、どちらが患者様にとって有益なのか?をよく話し合って、治療方針を決めていきます。
いずれに致しましても、患者様に、何故その歯を抜歯せざるを得ないのか?抜歯した後の処置や修復方法(かぶせや入れ歯等)について良く説明して、患者様に納得していただく事が大前提です。その上でこそ、患者様のクオリティー オブ ライフのために≪抜歯という治療法≫を選択できる。私共は、そう考えています。
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