こんにちは❣大阪市生野区の歯医者、有田歯科医院の院長、有田です。
「先生、入れ歯で保険外やといくらぐらいしますのん?今まで何回も入れ歯を作ったけど、すぐはずれるし、この金属のバネが丸見えで、いかにも入れ歯ぁ❣ってわかるから、いややわあ。せやけど、保険外やと高いんでしょ?なんでそないに値段がちゃいますのん?」。
皆さんが、普通に感じておられる疑問だと思います。保険の総入れ歯だと、3割負担の方で片方の顎で型採りから完成まで、合計¥15000ぐらい(上下の顎で¥30000ぐらい)の自己負担です。この金額設定は国が決めており、日本全国一律です。一方保険外の入れ歯の金額は、その医院が自由に設定しますので一概には言えませんが、保険の入れ歯の20倍から30倍するんじゃないでしょうか?
「ひゃあ~❣それって、ぼったくりやん❣」って、叫びそうになった方もおられるのでは?
そうですよね。あまりの金額の差に、びっくりしますよね。では、何故、それほどまでに大きな金額の差が出てしまうんでしょうか?そして、保険外の入れ歯は、その金額の差に見合うものなんでしょうか?
型採りに使う材料が違う、入れ歯のバネや床の部分の金属が違う、人口の歯の硬さが違う、etc、etc。でも、そんな材料費の違いが、保険の入れ歯の何十倍もするはずはないんです。その金額の差は、端的に言って、入れ歯を作る時間と工夫、歯科医師や歯科技工士の努力と情熱が現れたものだと思います。もちろん、そのためには、こういう材料を用い、こういう方法で作っていくという事に習熟しておかねばなりません。
私共の歯科医院では、入れ歯は大きく分けて以下の3種類有り、2)と3)は、保険外となります。
1)保険の入れ歯、2)金属床の入れ歯、3)コンフォートデンチャーです。
保険の入れ歯と比較しますと、2)の金属床の入れ歯の利点は、
・特に上顎の天井部分(口蓋)の床を金属を用いる事で薄く作れ、違和感が少なく、発音もし易くなります。また、部分入れ歯の場合、設計の自由度が大幅に増し、今残っている歯への負担をできるだけ軽くする設計、審美面に配慮した設計、発音に配慮した設計等を考慮に入れられるようになります。
・型採りの際に、頬や舌の筋肉の動き等をも再現しながら型を採りますので、頬や舌の動きと調和がとれた床の形になり、外れにくくなり、食べ物を噛み切る噛む力を効率よく伝えられます。
・金属を使う事で熱の伝導が行われ、熱い食べ物や冷たい物の感覚が損なわれる事が少なくなります。
更に、3)のコンフォートデンチャーは、歯ぐきに接する面に特殊シリコン素材を用いて、歯ぐきに軟らかくタッチしますので、金属床の入れ歯よりも吸着性(引っ付き度合い)に優れ、痛みも有りません。また、部分入れ歯では、金属のバネを用いない設計が可能な場合が有り、審美面でも優れています。
文章で書くと簡単ですが、この『差』を追求し高めていくために、私自身や歯科技工士のみんなが、互いに連絡を取りながら、患者様お一人お一人にとってのより良い入れ歯を作ろうと検討を重ねて、励んでいるのです。
では、実際の工程や日程は、どうなんでしょうか?それは、来月のこのブログでお話ししたいと思います。