『学校の歯科検診で思う事』

こんにちは❣ 大阪市生野区の歯医者 有田歯科医院 院長の有田です。
 
 同じ様な年齢でも、歯や歯茎の健康状態は千差万別です。10代後半の若者で、大きなムシ歯が多数あるにも関わらず放置されたままであったり、もう既に数本の歯を失くしておられたり・・・。また、ご年配の方では、インプラントや義歯(入れ歯)が入っている方もおられる反面、たくさんの歯を失くしたままの方もいらっしゃいます。逆に、まだまだしっかりとした歯や歯茎で健康的な日々を過ごしたおられる方も・・・。

 歯科医師会の役割として重要なものの一つに、歯科医師会会員による学校等の歯科検診が有ります。幼稚園から高校まで、歯科医師会の会員の先生方が校医(園医)となって、生徒さんや園児達の歯科検診を年に1~2回行っています。
 
 私も、当院の近くの夜間定時制高校の校医をさせて戴いています。夜間定時制には、所謂、高校生の年頃の生徒さんが多いのはもちろんですが、若い頃に様々な理由で学校に行けず、お年を召されてから一念発起、勉強しよう❣と通っておられるステキな、かつてのティ―ンズの生徒さんもおられます。ご年配から若人まで、様々な年齢層のお口の中を拝見させて戴きますと、その《学生さん》の今までの人生や今現在の生活を背景とした『歯の健康観』が垣間見える事が有ります。

 「痛くないの?」大きなムシ歯が有る学生さんに、思わず検診の手を止めて問診してしまっています(笑)。 前歯がムシ歯で、黒くかけたままの女子生徒さん。「別嬪さんが台無しやん。早よ、歯医者行きやぁ。」 「そらようさん歯ぁに金をつぎ込んできましてんでぇ。」インプラントとセラミックがたくさん入っているお婆ちゃん?おばちゃん?が、元気に快活に笑いながら、自信満々でお口の中を診せて下さいます。はたまた、「いやー、私、総入れ歯やのにどこ検診するの?」一同大笑い。で、ついつい話し込んでしまいます。「私らの若い頃は、歯ぁどころやなかったもんなあ。生きていくのに必死やったわ。」

 でも、やっぱり、歯を悪くしたまま歯医者さんに通うのを妨げる理由で共通しているのは、『仕事が忙しい。』『歯医者は、怖い。』『治療費が不安。』のようです。皆さんもそうでしょ?

 夜間定時制ですから、昼間働いて、夜に学校。時間に追われる毎日だと思います。頑張って下さいね❣ そんな忙しい日々を過ごしていると、それこそ「歯あどころやない。」かもしれませんが、放っておくと益々悪くなり、治療期間も長くなります。わかってらっしゃるとは思いますが( ^ω^)・・・。

 学校という一つの小さな社会に属する人達のお口の中を拝見させて戴いて、患者様にとって、歯の治療に通う事の大変さを改めて感じる事ができました。

  あなたのステキな笑顔をいつまでも・・・❣