新型コロナが蔓延している昨今、感染症の恐ろしさや生活の不自由さ、閉塞感を感じておられる方も多いと思います。当院でも、スタッフ一同、《感染予防》を徹底しながらの歯科治療を日々行っています。手洗いやうがい、アルコール消毒、またフェイスガードやマスクの装着等々、コロナウィルスを人から人にうつさないための工夫を致しております。それは、患者様方に安心して歯科治療を受けていただけるのと同時に、私共も安心して診療できる様に徹底する必要が有るからです。
そしてもう一つ。私共が皆様方にぜひともお伝えいたしたい、感染予防に関する注目すべき研究調査の結果が有るのです。それは、「歯とお口の健康な人は、感染しにくく、感染しても重症化しにくい。」という事です。これは、コロナだけでなく、インフルエンザやお年寄りに多い誤嚥性肺炎にも同じ事が言えます。
歯とお口のケアとウィルス感染症の関係についての研究では、大学や各研究機関に於いて研究調査が行われ、歯周病や虫歯などの口腔疾患が有り、お口の中の細菌が多い人は、インフルエンザウィルスに感染し易く、重症化し易いという研究結果が数多く報告されました。もう100年近く前の1923年にADA(アメリカ歯科医師会)からもその事が述べられており、1918~1920年頃に世界中で大流行したスペイン風邪(ある統計によると全人類の5割が感染し、2000万人以上の死者が出たそうです。)の罹患率は、歯とお口の健康な人は32%、歯科疾患がある人は72%となり、大きな差が有ったとしています。
あまり知られていないかもしれませんが、2月にコロナ感染の為に横浜港に停泊せざるを得なかったダイヤモンドプリンセス号の乗客に、歯とお口の中を清潔に保って感染症予防に役立てる為に、乗員乗客に歯とお口のケア製品が配られたそうですよ。
ウィルス感染を防ぐために、身体の免疫力を低下させない事も大切です。歯周病菌などの細菌が食道を通り、胃や腸に到達し、腸内細菌叢のバランスを崩す事で、免疫力を下げてしまう可能性が有ると言われています。お口の中を清潔に保っていない方や歯周病の方は、食事の度に、お口の細菌が腸内に送られ、免疫力を下げてしまう恐れが有ります。実際、高齢者に対して、口腔ケアを行った結果、インフルエンザウィルスの感染率が1/10になったという研究結果も有ります。
コロナ、SARS、インフルエンザ、その他多くの感染症が、世界中で我々人類を襲います。どうか、歯とお口の健康管理を徹底していただき、感染予防に努めて下さいね❣
私共もお役に立てる様、頑張ります❣