『歯とお口の健康のための最適治療~ステップ① 基礎治療』

 こんにちは❣ 大阪市生野区の歯医者、有田歯科医院の院長 有田です。

 歯科医師としての大まかな治療のテリトリーとしては、歯はもちろん、歯茎、舌、頬などの口腔内と顎関節や咀嚼筋、並びにその周辺の組織が有ります。いわゆる《顎口腔系(がくこうくうけい)》と呼ばれている人体の一部です。

 前回のこのブログで、『歯とお口の検査』について書かせて戴きましたが、ただ1本のムシバだけをズームして捉えるだけでなく、そこからもう少しワイドに診ていきたいのです。出なければ、中々、『何故、この様になってきたのか?』が見えにくいのです。

「そんなごちゃごちゃ言わんと、ちゃっちゃと歯ぁ入れてえなぁ。」とおっしゃりたいお気持ちもよくわかります。でも『何故?』を解決せずに、『 ちゃっちゃと』人工の歯をあてがうだけの治療では、必ず壊れてきます😢。

 ムシ歯にしても、歯周病にしても、その方その方によって、状況や進行具合は違います。先ず、その状況をご自身で大まかにでも把握して頂く為に、『歯とお口の検査』を致しました。次に大切なのは、その原因を取り去る事です。不幸にして、ムシ歯や歯周病が進行したり、歯を失くされた根本原因=プラーク(歯垢)をコントロールしないで、ただ人工の歯をあてがうだけでは、また再発し、更に深刻な状態に進行してしまいます。

 「そうですよね○○さん。一刻も早く、歯を入れたいお気持ちはよくわかります。でも、○○さんの今のお口の中は、まるで燃え盛る火事の真っ最中ですよね。火事で燃えている時に大工さんを呼びますか?」                ⇒「そらまあ、早よ火ぃ消さなあかんわなぁ。」              ⇒「そうですよね。先ず、消防士さんですよね。」             ⇒「先生、具体的にどういう事でっか?」                 ⇒「そうですね、先ず、歯のお手入れ方法をお伝えしたいと思います。よくテレビのコマーシャルでも、《プラークコントロール》しましょう❣って言ってますよね。」                                 ⇒「なんや、歯磨きでっかいな。でも、できたらそんなんより、早よ・・・。」         ⇒「お気持ちは良くわかります。でも、このステップが、とても大切なんです。もちろん、必要に応じて(特に前歯等)仮り歯はお入れします。時間は有効に使いたいですから、基礎治療は平行して進めていきましょう。○○さんの場合、検査の際にお伝えした様に、歯の根の治療や歯石の掃除等の歯周病治療と残念ながら抜歯すべき歯も有ります。火事で燃えてしまった状態ですから、先ず完全に鎮火させて、それからまるで建物の基礎構造を確固たるものにしましょうよ。それらの基礎治療を進めた行きながら、それでいて、普段の生活(食事、会話、笑顔❣)にできるだけ支障が無いように、工夫しながら計画的に治療を進めていきましょう。いかがでしょうか?」

 (抜歯、歯の根の治療、歯の神経を守るムシ歯の治療、歯周病の治療については、以前にもこのブログで書かせて戴いています。ご参考になさってみて下さい。)

 折角、こうなった原因がわかって、現状を把握できて、あなたの歯とお口にとっての最適な治療計画が成ったんです。予防治療を含めた基礎治療をしっかりとしておく事が、長持ちさせる秘訣です。歯科衛生士と一緒に取り組みたいと思います。私共と一緒に、コツコツと頑張って戴けませんか?

 残念ながら、《パッと治せる魔法の杖》は、持ってません。すみません。

       あなたのステキな笑顔をいつまでも❣