こんにちわ。大阪市生野区の有田歯科医院の院長有田充男です。
今年、コロナウィルスによる感染症の世界的な流行は、中世でのコレラやペストに匹敵する、いやそれ以上の世界的大流行となってしまいました。半年にも満たない期間で、世界中で多くの方々が命を奪われる(5月15日現在、全世界で30万人以上。日本では、700人以上)という痛ましい状況になっており、特に、アメリカでは、ベトナム戦争での戦死者数を超えてしまっています。コロナで亡くなられた方々やそのご家族の皆様方に、心よりお悔やみ申し上げると共に、現在、闘病中の方々の一日も早いご回復をお祈り致します。
また、コロナと最前線で闘って下さっている医師、看護師、その他の医療従事者の皆さんには、感謝と尊敬の念に堪えません。ありがとう❣
さて、コロナは、いまだに誰もが、知らないうちに感染する可能性を秘めており、私達は社会生活を営む上で様々な制約を強いられています。ご自宅で、不安な気持ちを抱きながら過ごしておられる方も多いでしょう。
でも、そんな状況下でも、私達は、『笑い、語らい、食し』ます。だからこそ、私共、歯科医療に携わる者は、唯々、皆さんの健康的で快適な日々の生活を守り続けられる様に努めなければならないと考えます。
その様な考え方の下、今、この方の歯の治療が、『不要・不急』であり得るのか?を判断せねばならないのですが、一方で、『不要・不急』な歯科治療とは、どのような治療なのかという疑問も湧いてきます。
例えば、ムシ歯1本を考えた時、まだ痛みが無いからといって、『不要・不急』の範疇に入れ、進行させてしまい、歯の神経を侵す事になってしまえば、大変な苦痛を患者様に与えてしまうことになりかねません。
例えば、入れ歯の調子が悪い。よく噛めない。という患者様の訴えは、他の方からすれば、『不急・不急』の様に映るかもしれませんが、ご本人にすれば切実な問題のはずです。
『コロナ』が怖ろしい病気である事は事実です。でも、三蜜(密閉、密集、密接)を避け、適正に感染予防しておく事で、感染率をぐんと引き下げられる事も事実です❣
5月8日現在:
日本の人口⇒約1億2650万人に対して、感染者数は、15547人⇒0.012%。
歯科従事者⇒歯科医師9万人、歯科衛生士13万人、歯科助手30万人。
計52万人に対して、感染者は、17人。⇒0.004%。
歯科従事者の感染者は、一般の方の約1/3です。コロナの感染が拡大し始めた頃、マスコミは、こぞって、歯科医院は危険な所であるかのような報道をしました。でも、実際の数字は、上記の通りです❣
だからと言って、私共もコロナの感染を100%防げるとは言い切れません。しかし敢えて申しますと、外科の手術室の様な完全に隔離された最高レベルの感染予防空間は別として、歯科医院ほど感染予防のレベルが高い所は無いのではないかとも思っています。歯科ではコロナ以前から感染予防対策(AIDS、性病、肝炎、etc.)がルーティンとして行われています。その上で今回の『非常事態宣言』の号令一下、受付のビニールシートや頻繁な換気、スタッフのフェイスガード、患者様に手指消毒や体温測定のご協力依頼、単位時間当たりの患者数の制限、スタッフの動線の分離etc.を行っています。今は、その様な状況下での診療体制を維持せねばなりません。患者様方には色々とご不便やご面倒をおかけしており、恐縮です。
『口腔ケアーと感染症対策』という観点で、コロナだけでなく、他の感染症を見直しますと、毎年、1~2月ころに流行するインフルエンザ。これも、歯科医師や歯科衛生士による歯とお口のクリーニングにより、約1/10に減少しているという報告も有ります。
また、口腔内を清潔に保つ事で、特にご年配の方に多い『誤嚥性肺炎』(=嚥下障害のために唾液や食べ物と共に口腔内の細菌が誤って気道内に入り込み、肺炎を引き起こす。近年、日本人の死亡原因の第3位となっている。)をも予防する事に繋がります。
マスコミも、国民一人一人も、もちろん私共もエキセントリックにならず、冷静に確実に対処し、みんなでこの困難な状況を脱しましょう❣
最後に、やるべき業務が増えているにも関わらず、患者様のために一生懸命努めてくれている有田歯科医院のスタッフ諸君。ありがとう❣
令和2年5月16日
有田歯科医院 院長 有田充男