こんにちは❣ 大阪市生野区の歯医者 有田歯科医院 院長の有田です。
テレビのコマーシャルでもお馴染みの《入れ歯安定剤》。薬局等で手軽に購入できるため、入れ歯のガタつきや外れ易さに悩む多くの方が利用されています。
しかし、歯科医師としての本音を申し上げますと、入れ歯安定剤を使い続けている方が多い現状に、入れ歯作りの難しさを再確認すると同時に、どこか申し訳ないような、自責の念に駆られる事も有ります。 なぜなら、「本来、精密に作られた入れ歯に安定剤は不要のはず❣」だからです。ああ、それなのに・・・💦。
有田歯科医院は、JR環状線桃谷駅を最寄り駅として、生野区で長年《噛める入れ歯》を追求して参りました。今回のブログでは、安定剤との正しい付き合い方、安定剤に頼らない入れ歯作りについてお話ししたいと思います。
1.なぜ入れ歯は『ガタつく』のか?入れ歯の安定を阻む5つの要因。
入れ歯は、既製品のシャツのように、S・M・Lサイズで間に合うものではなく、患者様お一人お一人のお口に合わせたオーダーメイドです。それでは、何故『合わない』のでしょうか?それは、入れ歯作りを難しくするお口の中の複雑さに原因が有ります❣
1)顎の骨の減少:歯を失うと、顎の骨と歯茎(入れ歯を支える土手となります)は少しずつ痩せていきます。入れ歯を支える土手の高さが低いと噛む力や入れ歯を外そうとする力に抵抗できず、入れ歯は横滑りや転覆をし、外れ易くなります。
2)フラビーガム(こんにゃく状に柔らかくなった歯茎):長年不適合な入れ歯を使っていると、一部の歯茎(多くは前歯部分の歯茎)に《圧》がかかり続く事で血行不良→貧血状態に陥り、歯茎の組織を痛め、歯茎がこんにゃくの様なブヨブヨとした軟らかい状態なります。この状態をフラビーガムと呼びますが、フラビーに陥っている歯茎とそうでない歯茎では、噛んだ際の入れ歯の沈み込みの量に差が生じて不安定な状態になり、結果、外れ易くなります。
3)噛み合わせの癖:長年、すり減った古い入れ歯を使い続けると、脳と筋肉が《低い噛み合わせ》に慣れてしまいます。本来の上下間の顎の高さ(噛み合わせの高さ)で作製しても、長年の噛み合わせの位置や高さとの違いで違和感が出て、外れ易い方向に噛んでしまいがちです。
4)頬や唇の粘膜の入り込み:歯が無い期間が長いと、頬や唇の粘膜が内側に入り込んでしまい、入れ歯が収まるスペースを狭めてしまいます。内側に入り込んだ頬や唇の粘膜から受ける《圧》は、入れ歯を外そうとする力になります。
5)不適切な安定剤の使用:合わない入れ歯に自己判断で適当で不均等に安定剤を厚塗りする事で、噛み合わせが狂い、入れ歯を支える土手である歯茎を痩せさせるスピードを速めてしまいます。入れ歯は、更に不安定になり、また安定剤を間違って厚塗りするという悪循環に陥ります。
2.入れ歯安定剤は、《応急処置》としてお使い下さい。
「歯医者で作った入れ歯が合えへんから、薬局で売ってる安定剤を塗って自分で何とか持たせてるねん❣❣」「今度出た入歯安定剤、中々ええで❣❣使こうてみたら?」 ある日電車に乗っていたら、そんな会話が聞こえてきました。歯科医師としては、「何とかせにゃあ❣」と身が引き締まる思いです💦
確かに、安定剤は一時的に食事を助けてくれる便利なツールですよね。私共も、市販の安定剤とは異なる《医療用》の材料を用い、「なぜ安定しないのか?」という原因を探るための治療上のステップとして、一時的に使用する場合が有ります。
ご自身で、間違って安定剤を使い続ける事は、謂わば、「足に合わないブカブカの靴の中に厚手の靴下を何枚も履いて、何とか誤魔化しながら使っている。」様なものです。そのような靴では、ちゃんと歩けませんよねぇ。それと同じで、入れ歯を胡麻化しながら使っていると、土台となる大切な歯茎を傷めたり、先述したフラビーな状態を拡げてしまいかねません❣ 条件は更に悪くなり、入れ歯作りをもっと難しくしてしまいます。実際、そうなってから来院される方も多いです。調子が悪ければ、ご自分で取りつくったり我慢したりせず、早めの来院をお勧めします❣
3.《安定剤が不要》のコンフォートデンチャー。
有田歯科医院でお勧めしている《コンフォートデンチャー》では、最高級のクッションである《生体用シリコン》を義歯の床内面と一体化させて作製します。
*安定剤の役目をも果たします。:床内面にシリコンが加工されているため、歯茎への吸着度合が増し、市販の安定剤を使う必要が無くなります。
*痛みの解消、軽減。:シリコンが噛んだ時の衝撃を吸収してくれるので、入れ歯を支える顎の骨や歯茎(土手となる部分)が痩せている方にも、咀嚼時の痛みを解消、軽減するのに効果が有ります。
*骨の吸収や歯茎が痩せる事の悪循環を断ち切る。:適正なフィット感を得る事で、無理な力が歯茎にかかりにくくなり、顎の骨が吸収されていったり、歯茎が痩せていくという悪循環にストップをかける事に繋がります。
4.《入れ歯安定剤》にまつわるよく有る質問。
Q)入れ歯安定剤を毎日使っていますが、身体に害は有りませんか?
⇒Ans)身体に対して、害を及ぼすような成分は含まれていません。ただ、日頃の洗浄等のお手入れが不十分ですと、安定剤に細菌が付着・繁殖し、口内炎や口臭の原因となります。また、安定剤を厚塗りし続けると噛み合わせにずれが生じ、顎の骨の吸収を引き起こしたり、顎関節を傷める原因となります。
Q)入れ歯のガタつきは、すぐに直してくれるのですか?
⇒Ans)先ずは、今お使いの入れ歯を拝見し、何が原因でガタつくのかを調べさせて下さい。その上で、『医療用の安定剤』を用いたり、嚙み合わせの調整をして、今の入れ歯を少しでも安定させるようにしていきます。ただ、あまりにも適合(フィット)が悪い場合や破折している場合は、早々に型を採って、入れ歯を作製しなおす場合も有ります。
Q)お勧めの市販の入れ歯安定剤は、どれですか?
⇒Ans)こればっかりは、お答えしにくいです(笑)。すみません💦ただ、基本的には『クリームタイプ』で、粘膜への刺激が少ないのが推奨されます。でも、先ずは来院なさって、現状を診させて下さい。何故合わないのか?、何故痛いのか? 上手くいけば、調整だけで安定剤が不要になるケースも有ります。
5.まとめ。:あなただけの《快適なフィット感》を求めて。
何度も言いますが、入れ歯は、あなただけのオーダーメイドの《人口臓器》です❣ 「お知合いの方の入れ歯を借りてはめる。」なんてできるわけが有りませんよね(笑)。あなたのお口の悩み、入れ歯の悩みを解消するには、あなただけの入れ歯の設計が必要です。そのためには・・・、
あなたのお口の中の状態をよく診させて下さい❣
あなたの入れ歯の状態をよく診させて下さい❣
あなたの入れ歯に対する悩みや想いをよくお聞かせ下さい❣
5回にわたり、私共の入れ歯作りに対する考え方や想いを述べさせていただきました。有田歯科医院では、入れ歯で悩んでおられる方々が、楽しく食事をし、笑い、おしゃべりをして戴くために少しでもお役に立てられるよう、お手伝いさせて戴いています。亡き母が教えてくれた『入れ歯の辛さ』を胸に・・・❣
あなたのステキな笑顔をいつまでも❣



