こんにちは!

有田歯科医院の院長、有田充男です。

当院のHPをご覧いただき、ありがとうございます!

少し前の話からとなりますが、私の生い立ちから今に至るまでを、ぜひご覧いただければと思います。

学生時代

初めての受験。幸い第1志望の高校に合格し、勉強もスポーツ(陸上部)も、良い仲間に恵まれ、自分なりに充実した青春時代を過ごしていました。
残念ながら、恋の花咲く事は有りませんでしたが・・・。トホホ。

自分の将来の進路を深く考えるでもなく(パイロットにはなりたかったが、近視のため断念)、また商売人の父からも「お前は、商才も無さそうやし、兎に角、手に職をつけなさい。」と諭されて、何となく歯学部を受験。
幸いな事に、こんな私でも拾って下さった我が母校、岐阜歯科大学(現:朝日大学歯学部)に昭和51年に入学致しました。
親元を離れ、遠く岐阜という馴染みの無い土地で6年間住む事になろうとは、それまで夢にも思っていませんでした。

長良川には白鷺が舞い降り、濃尾平野を囲む様に山並みが連なり、遠くは御嶽山までもが臨める豊な自然。
関西弁とは、明らかに違う方言。何にでもかける八丁味噌。
大阪生まれ、大阪育ちの18才の私にとって、カルチャーショックそのものでした。

旧農家の2階に、私を含めてむさ苦しいのが、4人下宿をしていました。
岐阜での6年間は、サッカー部に所属し、それ以外でも草野球、スキー等々、同級生の仲間達とアクティブな日々を過ごしていました。
「昭和の田舎の学生やねえ。」

歯科医師としてのスタート

お陰様で留年する事もなく、やっぱり恋の花咲く事もなく(涙)、国家試験も一発で合格し、昭和57年春、自信と不安が交錯する中帰阪し、歯科医師人生1年目がスタート致しました。

卒後1年半程は、大学の先輩の医院でお世話になり、歯科治療の基本手技をみっちりとたたみ込んでいただきました。

通勤が片道1時間半で、夜の8時まで診療していましたから、毎朝、5:30起床で、帰宅は早くて夜の9時半。結構、きつかったです。
一方で毎日多くの患者様の治療をし、「俺も、Drになったんだ!」と自慢したい心境でした。

ところが、ある程度の治療(保険治療)ができるようになってくると、今度は、こんな治療で良いのか?歯科医師として、このままで良いのか?」という疑問が芽生え始めました。

2軒目の勤務先の院長との出会い

そこで知り合ったのが、私の2軒目の勤務先の院長でした。
初めて医院に見学にお邪魔させていただいた時、「大学病院でやっているような治療を一般の歯科医院でやっている!」と驚いた事を鮮明に覚えています。

そこから、私の歯科医師としての『前進!』が始まりました。
幸運だったのは、その医院では、私の先任の勤務医が開業準備に入るため、丁度、後任を探し始めていたところでした。
最初の医院の院長には申し訳無かったのですが、快く送り出して下さいました。

新しい医院での初任給は、『歯周病治療』の本、一冊でした・・・。
毎日、怒られながらも充実し、スタディグループや日本有数の先生方の症例会にも連れて行って下さいました。
また、東京へもセミナーに通いました(ホテル代や新幹線代を節約するため、夜行バスで日曜の朝に東京着。
セミナー後、また夜行バスで早朝帰阪、そのまま出勤)。
若かったからできました。同級生たちは、もう高給でしたが・・・。

全人的歯科医療という考え方

そして、その医院の院長も学んでおられたのが、川村 泰雄先生が提唱されていた『全人的歯科医療』という考え方です。

それまで『歯』しか観ていなかった歯科医師に、その『人』を観なさい。

その人を中心に据えて、『歯の健康』が、その方の人生や生活に密接に関わっており、とても価値のあるものであるという事を理解して戴く事が歯科医療に従事する者の仕事の内、大きな割合を占めるべきです。

その方が、自分の歯の健康の大切さ、有り難さを理解される事で、初めて予防の大切さをも理解し、実行して戴けます。
当たり前の話ですが、『その歯』はその方の『歯』であり、『その歯の健康』を守る責任はその方に有ります。

私どもは、専門家としての知識や技術を駆使して、その方にとっての『最適な歯の健康状態の獲得と維持』の為、どう援助して差し上げられるか?を、常に考えるべきです。それこそが、『患者様中心主義』という考え方です。と、教わりました。

歯科医師としての想い

今まで、虫歯だから歯を削ってかぶせる。歯が無いから、入れ歯を作る。
歯科医学とは、その為にだけあると思っていた若造にとって、天と地がひっくり返される様な衝撃でした。

その『人』を観る。と言うのは、言葉で言う程簡単ではありません。
社会やビジネスの世界でも、よく言われているのではないでしょうか?
歯科医師は、ともすれば、『歯』だけを観てしまうところが有ります。
患者様は、『私』という一人の人間が持つ『歯』を診てもらいに来院されます。
そして、その方は、社会の中で、地域の中で、家族の中で、友人同士の中での色々な『顔(立場)』を持った方のはずです。

 

以来、私は、『歯』を通じて、そういった『あなた』という人と向き合うようにしています。
私には、そういった同じ考え方、同じ臨床哲学で日々の臨床に臨んでいる仲間がいます。
もう、30年来の付き合いです。何度も東京まで足を運び、2度、アメリカへも研修に行き、学んで参りました。
共に症例を検討し合い、疑問や悩みを相談し合える仲間がいる事は、とても幸せな事だと感謝しています。

『 強く! 優しく! 美しく! Firmly! Gently! & Honesty! 』これが、私の信条です。

私は、今、歯科医師として、とても充実した日々を過ごしています。
でも、現状に甘えるのではなく、これからも人から学び、書物から学び、いつも元気に微笑かけ、誠実に歯科医療に携わって行きたいと考えています。

『あなたの素敵な笑顔をいつまでも』 それが、私の願いです。