こんにちは❣ 大阪市生野区の歯医者 有田歯科医院の有田です。
今回のこのブログでは、前回に引き続き、私共が噛み合わせを再構築していく上での基本的な考え方を述べたいと思います。
ムシ歯や歯周病、その他外傷等が原因で、 歯にかぶせ物(1歯だけのかぶせ物から数歯に亘るブリッジ冠)、部分入れ歯や総入れ歯等を作製して、歯の補綴(ほてつ)修復治療を行う事で、嚙み合わせの再構築を図ります。その際の噛み合わせの与え方としての基本的な3点が、①顎関節を安定させる噛み合わせの位置と高さ。 ②前歯による噛み合わせの動きの誘導。③奥歯に対しての水平方向への余分な噛み合わせの力の排除です。
左右の顎関節は両耳の1cm程前方にあります。人間(他の哺乳動物も)の身体の中で、たくさんの関節が有りますよね。背骨、首、手首、肘、股関節、膝、足首、手足の指にも。260か所も有るそうです❣ 身体を前屈させたり、後屈させたり、またはグルグル回したり。二つの骨と骨を介する《関節》の存在によって、運動の自由度が広がります。皆さんも、時々背筋をそらせたり、前屈みに腰を曲げたり、首を左右に伸ばしてストレッチをされるでしょ。手首、足首をグルグル回して、凝りを緩めたりもしますよね。一つの骨と一つの骨が接する所に関節が有る事で、そういった動きが出来ます。そんな中で、人間に限らず、他の哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類に於いても、《顎関節》だけは、頭蓋骨と下顎骨の間に左右2か所有ります。「何を当たり前の事をさぞ難しそうに言うてまんねん❓」というお声も聞こえてきそうですが(笑)・・・。実は、私共が噛み合わせの再構築していく際、この《顎関節》にずれや異常が無い事が前提なのです。昨今、『顎関節症』という言葉もお聞きになった事も有るかと思います。重症の場合ですと専門医に診察を仰ぎますが、多くの方は全く問題無いか、有っても軽症でマウスピース等の装着で症状が軽減できる場合が多いです。①のステップ:顎関節を安定させる噛み合わせの位置と高さを確保します。
初めからその必要が無い場合やマウスピースの装着等で症状が軽減安定すれば、次の②のステップ:前歯による噛み合わせの動きの誘導を正しく行えるように調整していきます。これは、下前歯の歯並びが出発点です。元来の歯並びが、ガタガタしていると、上前歯への噛み合わせの力が不均等にかかってしまいますし、前後左右に顎を滑走させて動かした時に、歯をぐらつかせる様な力が特定な歯にかかり、歯周病を進行させてしまいます。特に、その症状は上前歯に現れ易いです❣ 「センセ、何やこの頃、上前歯がぐらついて、噛み切れませんねん。何か、前に反ってきた感じで、出っ歯になってきた感じですわ。」 その場合噛み合わせの微調整を行いますが、前歯をかぶせる必要が有る場合は、歯を削って仮り歯を装着します。その上で、前歯による噛み合わせの滑走の動きがスムーズに行われているか、特定の歯にのみ過重負担になっていないかを確認して、良好と判断した場合に、その仮り歯の歯の長さ、分厚さ、上前歯の裏の面(舌前歯と接して滑走を誘導する面)を参考にして、本かぶせの作製に移ります。歯のぐらつきが既に大きくなりすぎている場合は、相談の上、歯並び矯正治療を前処置として行う場合や、残念ながら抜歯を選択する場合も有ります。
ここまでくれば、あとは前歯による誘導に沿った噛み合わせの動きに合わせて、③奥歯に対しての水平方向への余分な噛み合わせの力の排除を考慮して、奥歯の噛む面の形を作製していきます。顎関節を支点とした下顎の奥歯が、強力な咀嚼の筋肉によって上顎の奥歯の噛む面にぶつかります。奥歯の噛む面には凹凸が有り、上下の歯の凹と凸、凸と凹が歯車の様に噛み合って食べ物を咀嚼するのですが、下顎を動かした時に、その凹凸面の斜面にガチガチと過重負担が有ると、この咀嚼する力自体が歯に対して《水平方向への揺さぶりの力》となって、歯を支える骨を吸収させる事になり、歯周病を進行させます。例えて言えば、土の中に埋めた杭を揺さぶれば、周りの土が掘り起こされ、段々と杭がぐらついてくるのと同じイメージです💦 かぶせ物をお入れする際に、噛み合わせのチェックで、「横にギリギリしてみて下さい。」と言われた事もあるかと思います。私共は、必ずこれもチェックします❣❣
もちろん、全ての症例で、これを全て行わねばならないという事ではありません。①の顎関節の問題が無ければ、このステップは飛ばせますし、②の前歯による噛み合わせの誘導が、調和が取れていれば、このステップも飛ばせます。私共が行う歯の修復による噛み合わせの再構築は、ただ1本の歯のかぶせであっても、上記に述べたような基本的な考え方に則った手順で行い、最終的に、③の奥歯に対しての水平方向の余分な力の排除ができているか❓を確認をします。
有田歯科医院では、患者様に『ご自身の歯とお口の健康状態』をよく把握して戴いた上で治療を進めていくという考え方の基に、『歯とお口の検査』⇒『現状の説明と治療計画の説明』に時間を割かせて戴いています❣❣ てな訳で、噛み合わせのバランスが崩れてきている症例では、「ちゃっちゃとかぶせてーな。」のご期待にお応えできない場合が有る事も、ご理解戴ければ有り難いのです。
あなたのステキな笑顔をいつまでも❣❣



