『噛み合わせの基本的な考え方 ③』

 こんにちは❣ 大阪市生野区の歯医者 有田歯科医院 院長の有田です。

 「センセ、何や知らんけど、何か噛み合わせがなあ・・・、何か調子悪いっちゅうか、別に痛い事もないねんけど・・・。いっぺん、診てもらおうと思って来ましてん。」 何となくの不調を訴えて、私共の医院にいらっしゃったAさん。早速、『歯とお口の検査』をさせて戴きましたところ、前歯が前方に傾斜して、前歯による噛み合わせの誘導が機能しておらず、奥歯に対して、水平な力の過重負担が強く出ていました。 奥歯の噛む面はすり減り、上前歯は、所謂、出っ歯気味に傾斜し、少しぐらつき始めています。大きく口を開けると、時々、耳の辺りがカクカクと鳴るそうです。 噛み合わせの不調和により、ご自身の《噛み合わせの力》 自体が、ご自身の歯や歯茎、顎関節に対して、為害作用を及ぼしています。 ⇒前回までの『噛み合わせの基本的な考え方①~②』をご参照下さい。        

 日本が、戦後を経て高度経済成長期を迎えた昭和の頃、工場はフル稼働し、あたかも《突貫工事》の様にビルがどんどんと建てられ、道路も整備されていきましたよね。東京オリンピック(1964年)から大阪万博(1970年)にかけて、庶民の生活レベルも向上していった時代です。戦時中や戦後の食べ物も無い時代から、「明日は、今日よりもっと良くなる❣」と信じる事が出来、誰もが忙しく働き、日本中が一気に駆け上がって行ったエネルギーの溢れる時代でした。(NHKの朝のドラマ『ひよっこ』が再放送されていますが、その『いざなぎ景気』の時代です。)健康保険制度も軌道に乗り、国民は、皆、平等に安心して医療を受けられるようになりました。 歯科も例外ではなく、それまでは一部の裕福な人達だけが歯科医院を受診する事ができていただけでしたが、一気に、誰もが歯科医院に押し掛ける様になりました。 豊かになった食生活は、新たに《虫歯の洪水》という難題を歯科医師に突きつけ、しかも、歯科医院の数自体が今の様に多くはなく、諸先輩の先生方は、朝から晩まで、疲労困憊するまで働きづめっだったそうです💦。

 そういう状況下でしたので、前回までに述べさせて頂いた『噛み合わせの基本的な考え方』を実践していくには、厳しい環境であったと推察します。当時の先生方が噛み合わせを再構築する際に、日々、《突貫工事》で上下の歯を噛み合わせる事で精一杯で、大学で学んできた事をそのままお口の中で再現できない事に無力感をも感じておられたかもしれません。『顎関節の安定』や『前歯と奥歯の調和』、『側方運動時の奥歯への干渉の除去』といった私共がこだわっている『噛み合わせの基本的な考え方』を実践する時間も労力も、遙かに不足していたでしょう。受診している患者様方も少々噛み合わせが高く感じても、忙しく立ち回っている先生にその事を告げる事をもためらってしまったり、やっとの思いで告げたとしても「そのうち慣れます❣」の一言で済まされた事も有ったかもしれませんね💦。 

 昭和⇒平成⇒令和と、諸先輩の歯科医師や歯科衛生士の皆さん方のご努力で、虫歯予防や初期治療の考え方が一般的に拡がり、《虫歯の洪水》も随分と改善されてきました。現在、歯科医院の数は飽和状態で、コンビニエンスストアより多い❓と揶揄される事もあります。確かに、《虫歯》を治療するだけの歯科医院では、患者様の数自体が減っているのですから、経営的にやっていけないと思います💦社会は、自分達の経営状態を悪化させる事を承知の上で、口腔衛生の向上がここまで改善されるために働きかけてきた事にもっと高い評価を与えて下されば、歯科医療従事者のモチベーションも高まるのになあ・・・、と残念に思う事も有ります💦💦💦。でも、次の問題が生じ始めています。ストレス社会を生きる現代人で、今まで顕在化していなかった《噛み合わせ》に関しての不自由感や不安感を抱いて困っておられる方は多いはずです。有田歯科医院では、噛み合わせの再構築に際して、たった1本のかぶせ物の作製にあたっても、『噛み合わせの基本的な考え方』をベースにした治療を心がけています

   あなたのステキな笑顔をいつまでも❣❣

 

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